このエントリはWake Up, Girls! Advent Calendar 2018の14日枠になります。
書いていたらどんどん長くなっていってしまい手に余ってしまって、全く間に合いませんでした!!!
下書きが心残りなので供養として公開します……企画に穴を空けてしまって申し訳ありませんでした🙇
昨年のワグベントカレンダーにも参加したので、 今年も1本書かせて頂きます。
去年のエントリは↓こちら(代打でもう1枠書きました)
仙台のアイドルユニットとヨコハマ一の名探偵の話 - イベント備忘録
自分でも軽く読み返したのですが、 1年前とはずいぶんと状況が変わってしまいましたね。
去年の今頃といえば新章の放送真最中。
後輩のRGRも結成されてWUGの活動もこれから新たな段階へと 進んでいくものだと思っていたのですが・・・ 2018年半ばで色んな意味での新たな段階を迎えてしまいました 。
ついでにミルキィも仲良く解散と相成りました
解散に向けてのポエムは他の方も書くと思いますのでこれくらいに して。
先日行われた岩手・盛岡公演に際して気仙沼~ 陸前高田周辺の津波の被災地を訪れたので、 軽く旅行記のようなものを書きたいと思います。
いくつかの地域に別れるWUG劇中の聖地のうち、 気仙沼はアクセスの問題もあり来訪の難しい場所だと思います。
まだ行けたことがない、 という方々にも現地の様子が伝わると嬉しいです。
・発端
私が気仙沼を初めて訪れたのはWUG聖地巡礼ついでの東北旅行で 、4年前の2014年11月のことになります。
この頃の劇中に出てくる大鍋屋近辺は、 ようやく瓦礫や漂着物の撤去が落ち着き見渡す限りの更地が広がっ ているという有様でした。
剥き出しになっている家屋の基礎、 地盤沈下により地上に迫り出したマンホールなどの配管が天変地異 の凄まじさを物語っていました。
当時としても既に3.11から3年半。
関東の平野に生まれ住んでいる自分には原発などの問題がニュース で取り沙汰されることはあっても、どこか既に終わった、 遠い場所の、過去の出来事のように感じられた震災。
それは終わるどころか、 未だに復興の兆しさえ見えない風景の現実と自分の無知にただただ ショックを受けたことを今でも憶えています。
( この時はまだ工事が始まっていなかったので夏夜と真夢が語り明か したベンチが残っていました)
その後は2016年8月、 3rd仙台の際に舞台めぐりのチェックインの為に一度訪れました 。この時は各地を回る都合もあり慌ただしく、 車内から工事が行われている様子を見ただけでした。
それから更に2年経った今年。 岩手公演の決定にあたり盛岡への道中で気仙沼を再度訪れることを 決意しました。
気仙沼は仙台からは近いとは言えず公共交通機関でのアクセス手段 も限られてしまうので、 いっそ車で盛岡に向かう東北道の途中で降りて寄ろう! という計画です。
ついでに気仙沼から遠くない陸前高田の「奇跡の一本松」 も見に行くことにしました。
・ライブ前日
池袋に集合して7時に出発。
走り続けること6時間ちょっと、 14時手前ほどで気仙沼に着きました。 自分たちで運転して東北道の仙台宮城を通過したのは初めてです。
まず向かったのはシャークミュージアム/魚の市。
シャークミュージアムという名前ながら、 フロアの半分ほどは震災の被害についての展示にスペースが割かれ ています。
紹介されているサメは卵生だったり胎生だったり生態もバラバラで 、「サメって、結局なに?」という謎が増す興味深い展示でした。
かつては実際のサメも飼育していたそうですが被災後の今は大きな 模型(歯だけ実物)が展示されているのみです。
代わりと言ってはなんですが氷漬けの水族館も併設されています。 サンマが食べたくなりました。
件のベンチの辺りは連絡船乗り場の建設が着々と進められています 。
港町ブルース歌碑の周辺は工事中で立ち入り禁止となっていました 。
今回は利用しませんでしたが大鍋屋も今夏から営業再開、 本館も完成しつつあるようです。
新しい建物が立ち並ぶようになってきましたが間に合わせの駐車場 や盛り土になっているだけの土地、 歩いていると脚に負担が掛かる大きな砂利の歩道もまだまだ残って います
町の様子を見ながら高台の五十鈴神社へ。
既に辺りは暗くなってきていて町中をイルミネーションが飾ってい るのがわかります。
何も知らずに訪れたのですが丁度この日にイルミネーションの点灯 式をやっていたらしく、 フェリー乗り場の辺りは出店が沢山並び賑わっていました。
イルミネーションはとても華やかで賑わっており、 今回の訪問では着実に復興へ向かっている事を感じることが出来ま した。
しかし、 逆に言えば7年以上掛けてもまだまだ復興の道は半ばなのだという ことも改めて感じさせられました。
えぬつー on Twitter: "4年ぶりに来た気仙沼はまだまだ復興途中ですけどイルミネーションが無数に輝いて綺麗で、着実に前に進んでるように感じました… "
・ライブ当日
ここからはWUGとは直接関係ない余談なのですが、 震災や津波とつながる話なので書いておきます。
この日は気仙沼湾から少し北上したところにある民宿さかやさんで 一泊しました。
出立する朝、女将さんが見送りに出てきてくれました。
その時に3.11当時のこと、 漁師だった旦那さんや働く場所が無いため若者は都会に出ていって しまう等のそこに住む人たちの事を話してくれました。
民宿がある場所は入江のようになっていて浸水したものの、 たまたま家屋が岸から見て岩山の裏で引き潮の影響が少なく、 骨組みに釘・ ネジが使われていなかったので難を逃れたとのことでした。
宿の眼前には造りかけの防潮堤があるのですが「 造りかけにしては少し古びてるな・・・」 なんて悠長に捉えていたらなんと、 途中で建設会社が倒産してしまった為に放置されているとのこと。
驚きの余り聞いた瞬間は笑ってしまいました。
が、これが必要と判断されて企図された防潮堤であったなら、 この状況そのものが震災復興の現実という気もして全く笑えません 。
”そこにある悲しみ”を知り、 別れを惜しみながら再訪を誓いつつ陸前高田市へ。
グーグルマップで気仙沼周辺を見ていた時の事、 奇跡の一本松が割りと近いことに気が付いたので盛岡に向かう前に 寄ると決めていました。
見渡すかぎりの更地が広がっていました。
かつては10万本の松原と砂浜のあった景勝地だったらしいので、 ここにも街があったハズと思うと喪失感が胸に押し寄せてきます。
駐車場から歩くこと十数分、松は立っていました。
数年前に報道もされていましたが、 現在の一本松は中身をくり抜かれ芯を通して防腐処理を施された限 りなく人工物に近いモニュメントになっています。( 詳しくはwikipediaや個人の方のブログ等に経緯がまとめ られています)
当時
現在…
・ライブ
震災の痛みが残る地を通りながら無事に盛岡へ。
誘ったメンツは夜のみ参加で岩手観光をする予定なので、自分のみ昼公演へ…。
岩手公演の感想を書き始めてしまうとキリが無いので割愛しますが、「東北」と「Wake Up, Girls!」の繋がりを思い起こささてくれる本当に感情を揺さぶられる公演でした。
連れて行ったメンバーは元はミルキィホームズで知り合ったオタク達でした。
(1月のミルキィFINALで連番のメンツでもあったり)
そんな彼らにも口々に「Wake Up, Girls!のライブ凄かった」「言の葉 青葉で女将さんの顔が浮かんでヤバかった」(意訳)と絶賛してもらえて誇らしかったのと同時に、被災地を巡りながら行ったのがライブの前フリとして完ぺきで、そんな公演内容を考えてくれた奥野香耶さんに心から感謝しています。
残念ながらグループ活動自体は3月に終わることになってしまいましたが、WUGと東北の絆は忘れない限り心の中で永遠だと思います。
これからも仙台だけでなく、東北の各地を訪れたい、そう思えた旅行でした。
皆さんもぜひ、旅行を考える時は南三陸を候補地に入れてみてください。
下書きそのままの乱文ですが、もし読んで下さった方がいらっしゃいましたらありがとうございました。